障がい福祉サービスの就労継続支援B型や放課後等デイサービスを開業するにあたっては、サービスを提供する場所を選定しなければなりません。
施設系のサービスを行う場合、物件探しはとても重要です。
既存の物件を活用する場合、その物件が建築基準法や都市計画法、農地法等の法令に抵触していないかどうかの確認も必要となります。
弊事務所では開業物件に関するご相談や物件調査等も承っておりますが、ここでは、放課後等デイサービスの開設を例に、都市計画法に定められる用途地域や市街化調整区域
について簡単に説明していきます。
都市計画法とは?
都市計画法とは、地方自治体が基本計画に基づき、その土地の利用や建物の規制に関するルールを定めることができるとする法律です。ですから、土地に無秩序に建物が建てられるわけではなく、地方自治体が基本計画に基づき地域ごとに独自に建築できる建物を定めているのです。
都市計画法では都市を大きく次の2つの区域に分けています。
市街化区域 … 優先的かつ計画的に市街化を図るべき地域
市街化調整地域 … 市街化を抑制すべき地域
(上記以外を非線引区域といっています。)
つまり、市街化調整区域では原則として新たに建物を建築することができませんので放課後等デイサービスの開設はできないということになります。
そして、市街化区域については更に12の区分に分けられています。
これを用途地域といいます。
用途地域ごとに建築できる建物が定められているのですが、放課後等デイサービスの開設については、工業専用地域を除くほとんどの地域での開設が可能です。
ですので、市街化調整区域内であれば、用途地域をそれほど気にする必要はありません。
用途地域については、物件のある市町村の都市計画課等で確認することができます。
用途地域について
第1種低層住居専用地域 | 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定 める地域 |
第2種低層住居専用地域 | 主として低層住宅に係わる良好な住居の環境を保護 するため定める地域 |
第1種中高層住居専用地域 | 中高層住宅に係わる良好な住居の環境を保護するた め定める地域 |
第2種中高層住居専用地域 | 主として中高層住宅に係わる良好な住居の環境を保 護するため定める地域 |
第1種住居地域 | 住居の環境を保護するため定める地域 |
第2種住居地域 | 主として住居の環境を保護するため定める地域 |
準住居地域 | 道路の沿線として地域の特性にふさわしい業務の利便 を図りつつ、これと調和した住居の環境 を保護するため定める地域 |
近隣商業地域 | 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うこと を主たる内容とする商業その他の業務の利便を 増進するため定める地域 |
商業地域 | 主として商業その他の業務の利便を増進するため定め る地域 |
準工業地域 | 主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便 を増進するため定める地域 |
工業地域 | 主として工業の利便を増進するため定める地域 |
工業専用地域 | 工業の利便を増進するため定める地域 |
用途地域の調べ方
都市のどの場所にどんな建物を建築できるのかは、都市計画法という法律に基づき都道府県や市町村が独自に定めています。都市計画法では都市を大きく次の2つの区域に分けています。
市街化区域 … 優先的かつ計画的に市街化を図るべき地域
市街化調整地域 … 市街化を抑制すべき地域
つまり、市街化調整区域では原則として新たに建物を建築することができませんので放課後等デイサービスの開設はできないということになります。
そして、市街化区域については更に12の区分に分けられています。
これを用途地域といいます。
用途地域ごとに建築できる建物が定められているのですが、放課後等デイサービスの開設については、ほとんどの地域での開設が可能です。
ですので、市街化調整区域内であれば、用途地域をそれほど気にする必要はありません。
用途地域については、物件のある市町村の都市計画課等で確認することができます。
>> 都市計画法上の用途地域について詳しくはこちらをご覧ください。
用途変更が必要かどうか(建築基準法)
既存物件での開業を考えたときに、まず、その建物が建築確認や完成後の検査を受けていたのかを確認する必要があります。それを確認する書類が「建築確認済証」や「検査済証」となります。
また、建物は建築する際に、「住居用」、「商業用」など、どのような目的で使用するのかに応じて建築物の構造基準等が異なります。
これを建築基準法では「用途」といっています。
放課後等デイサービス等の福祉施設の用途は、「児童福祉施設等」という名称となり、これは建築基準法上、「特殊建築物」といって、不特定多数の方々が出入りする施設ですので、一般の建築物よりも厳しい制限を受けることになります。
そして、変更後の用途が「特殊建築物」であり、その変更部分の床面積が100㎡を超える場合には、「用途変更」という建築確認申請が必要となります。
用途変更が必要な場合、専門知識をもった建築士等に依頼をする必要があります。
この場合、建築基準法以外にも条例等の基準も致す必要があり、費用も数十万円から100万円程度かかります。
ですから、先にも書きましたが、既存建物を利用する場合には、100㎡を超えるか超えないかがひとつのポイントとなります。
>> 建築基準法上の用途変更について詳しくはこちらをご覧ください。
放課後等デイサービスの開業をお考えの方へ
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