障がい福祉サービスの報酬は「単位」という形で決まっています。1単位は10円で計算され、市町村ごとに設定されている「地域区分」に該当する加算率を乗じることにより、人件費の地域差を調整した算定されます。

就労継続支援B型事業の報酬の算定(基本報酬、加算・減算)についての概要をまとめてみましたので、参考にしてください。(令和6年度報酬改定時のもの)

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就労継続支援B型の基本報酬は、人員(生活支援員及職業指導員の総数)を利用者数(前年度平均利用者数)に対し、最低10:1(利用者数10人に対し1人)の割合で配置しなければなりません。

この配置を手厚く(7.5:1や6:1)することで、報酬単位数が高くなります。

就労継続B型サービス費(Ⅰ):人員配置が6:1の場合
就労継続B型サービス費(Ⅱ):人員配置が7.5:1の場合
就労継続B型サービス費(Ⅲ):人員配置が10:1の場合

また、前年度の平均工賃月額が高いほど、単位数が報酬単位数が高くなるよう設定されています。

なお、「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系として、就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)から(Ⅵ)といった報酬体系も設けられています。







就労継続支援B型事業所は、前年度(前年4月から本年3月まで)の平均工賃月額等の工賃実績を所定の期限までに報告することになっています。

なお、平均工賃月額は、次の方法で算出します。
①前年度における工賃支払総額を算出
②前年度における開所日1日あたりの平均利用者数を算出
 前年度の延べ利用者数÷前年度の年間開所日数
③①÷②÷12により、1人あたり平均工賃月額を算出







参考に、平均工賃月額が15,000円以上2万円未満の場合の就労継続支援B型サービス費を掲載しておきます。




区 分利用定員報酬単位
(Ⅰ)/(Ⅱ)/(Ⅲ)20人以下703単位/637単位/572単位
21人以上40人以下624単位/544単位/497単位
41人以上60人以下586単位/511単位/461単位
61人以上80人以下575単位/501単位/452単位
81人以上557単位/485単位/437単位




なお、サービス費(Ⅱ)は、体験利用の場合の報酬単価です。










利用開始日から起算して30日以内の期間について、1日あたり30単位を加算できます。







目標工賃達成指導員常勤換算方式で1人以上配置し、手厚い人員体制(職業指導員及び生活支援員の総数が常勤換算で6:1以上、かつ当該目標工賃達成指導員、職業指導員及び生活指導員の総数が常勤加算方式で5:1以上)をもって、目標工賃の達成に向けた取組みを行う場合

なお、目標工賃達成指導員は、常勤職員に限られていません。




区 分利用定員報酬単位
目標工賃達成指導員配置加算20人以上45単位/日
21人以上40人以下40単位/日
41人以上60人以下38単位/日
61人以上80人以下37単位/日
81人以上36単位/日







良質な人材の確保とサービスの質の確保の向上を図る観点から、以下の条件に応じて加算できます。




区 分要 件報酬単位
(Ⅰ)常勤の世話人・生活支援員のうち、社会福祉士介護福祉士精神保健福祉士又は公認心理士の資格保有者が35%以上雇用されている。15単位/日
(Ⅱ)上記の資格保有者が25%以上雇用されている。10単位/日
(Ⅲ)世話人・生活支援員のうち、常勤職員が75%以上又は勤続3年以上の常勤職員が30%以上6単位/日







就労継続支援B型事業所等が各都道府県において作成される工賃向上計画に基づき、自らも工賃向上計画を作成するとともに、当該計画に掲げた工賃目標を達成した場合に、1日あたり10単位を加算できます。







居宅等と事業所・施設との間の送迎を行った場合に加算できます(同一敷地内の場合は70%)。




区 分要 件報酬単位
(Ⅰ)1回の送迎につき平均10人以上が利用し、かつ週3回以上の送迎を実施している場合
※利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員の50/100以上が利用している場合
21単位/回
(Ⅱ)①又は②の場合
1回の送迎につき平均10人以上が利用している(利用定員が20人未満の事業所にあっては、平均的に定員50/100以上が利用している)場合
週3回以上の送迎を実施している場合
10単位/回







医療機関との連携により、看護職員が事業所を訪問して利用者に対して看護を行った場合や介護職員に痰吸引等に係る指導を行った場合等に加算されます。




区 分要 件報酬単位
(Ⅰ)看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合1時間未満32単位/日
(Ⅱ)看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合1時間以上2時間未満63単位/日
(Ⅲ)看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合2時間以上10単位/日
(Ⅳ)看護職員が事業所を訪問して医療的ケアを必要とする利用者に対して看護を行った場合
①利用者1人 ②利用者2人 ③利用者3人以上8人以下
①800単位/日
②500単位/日
③400単位/日
(Ⅴ)看護職員が介護職員等に喀痰吸引等に係る指導のみを行った場合500単位/日
(Ⅵ)研修を受けた介護職員等喀痰吸引等を実施した場合100単位/日







視覚・聴覚・言語機能に重度の障がいがある利用者が一定数以上であって、意思疎通に関し専門性を有する職員が一定数以上配置されている場合に加算を算定できます。




区 分要 件報酬単位
(Ⅰ)視覚・聴覚言語障がい者割合が50%以上、専門職員配置1:40の場合51単位/日
(Ⅱ)視覚・聴覚言語障がい者割合が30%以上、専門職員配置1:50の場合41単位/日







高次脳機能障がいを有する利用者が全体の利用者数の30%以上であって、専門性を有する職員(高次脳機能障害支援者養成研修修了者)が50:1の割合で配置されている場合に、1日あたり41単位を加算できます。







就労継続支援B型を受けた後に就労し、6月以上就労継続している方がいる場合、基本報酬の区分及び定員規模に応じた所定単位数に6月以上就労継続している方の数を乗じた単位数を加算できます。




区 分利用定員報酬単位
(Ⅰ)を算定している事業所20人以下平均工賃月額に応じて48~93単位/日
21人以上40人以下平均工賃月額に応じて22~49単位/日
41人以上60人以下平均工賃月額に応じて13~35単位/日
61人以上80人以下平均工賃月額に応じて 9~27単位/日
81人以上平均工賃月額に応じて 7~22単位/日







利用者が就労移行支援の支給決定を受けるに際して、就労移行支援事業者との連絡調整等の相談援助を行うとともに、相談支援事業者に対して情報提供を行った場合に、利用終了月1回を限度に1,000単位を加算できます。







継続して利用する利用者が連続して5日間利用しなかったときに、職員が居宅を訪問して相談援助を行った場合に、月2回を限度に加算できます。

・所要時間が1時間未満 187単位/日
・所要時間が1時間以上 280単位/日







事業所が利用者負担額合計額の管理を行った場合に、一月あたり150単位を加算できます。







収入が一定額以下の利用者に対して、栄養面での適切な配慮をしたうえで食事を提供した場合に、1日あたり30単位を加算できます。







次の要件のいずれにも該当する事業所において、障がい者又は障がい者であった従業者であって、障害者ピアサポート研修修了者であるものが、利用者に対してその経験に基づき相談援助を行った場合に、1月あたり100単位を加算できます。

就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)から(Ⅵ)までのいずれかを算定していること
障害者ピアサポート養成研修修了者を2名以上(2名以上のうち1名以上は障がい者又は障がい者であった従業者であること)配置していること。
③②の従業者のいずれかにより、他の従業者に対し、「障がい者に対する配慮等に関する研修」が年1回以上行われていること。







利用者が急病等により利用を中止した際に、連絡調整や相談援助を行った場合に、月4回までに限り、1回あたり94単位を加算できます。







利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系において、各利用者に対して、地域住民等との協働して生産活動に係る支援を行い、その活動の内容を公表した場合に、1日あたり30単位を加算できます。(就労継続B型サービス費(Ⅳ)から(Ⅵ)までのいずれかを算定している事業所のみ)







前年度における障害基礎年金1級を受給する利用者が、一定数以上である場合等に、下記表の単位数を加算できます。




区 分利用定員報酬単位
(Ⅰ)/(Ⅱ)20人以下56単位/28単位
21人以上40人以下50単位/25単位
41人以上60人以下47単位/24単位
61人以上80人以下46単位/23単位
81人以上45単位/22単位




(Ⅰ):前年度の障害基礎年金1級受給者数が、当該年度の利用者数の50%以上の場合
(Ⅱ):前年度の障害基礎年金1級受給者数が、当該年度の利用者数の25%以上50%未満の場合







強度行動障害を有する利用者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材に事業所等を訪問させ、集中的な支援を行った場合に、3月以内に限り月4回を限度に、1回あたり1,000単位を加算できます。







就労継続支援B型の利用者が障害福祉サービス事業の体験利用を行った場合に、15日以内に限り、下記の単位を加算できます。

初日から5日目まで 500単位/日 +50単位/日(地域生活支援拠点等で連携及び調整に従事する者を配置している場合)
6日目から15日目まで 250単位/日 +50単位(地域生活支援拠点等で連携及び調整に従事する者を配置している場合)







在宅でのサービス利用を希望する方であって、在宅でのサービス利用による支援効果が認められると市町村が判断した利用者に対して、一定の要件を満たしたうえで支援を提供した場合に、1日あたり300単位を加算できます。







地域生活支援拠点等に位置付けられ、かつ、関係機関との連携及び調整に従事する者を配置する事業所において、障がいの特性に起因して生じた緊急事態等の際に、夜間に支援を行った場合に、1日あたり100単位を加算できます。










サービス管理責任者が欠如した場合、欠如した月の翌々月から欠如が解消されるに至った月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。

・減算適用1月目から4月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用5月目以降 所定単位数の50%で算定







個別支援計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。

・減算適用1月目から2月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用3月目以降 所定単位数の50%で算定







指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員欠如が解消されるに至った月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。

・減算適用1月目から2月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用3月目以降 所定単位数の50%で算定







以下のいずれかに該当する場合に所定の単位数の70%で算定することになります。

1日あたり利用者数が、定員50人以下の場合は当該定員の150%を、定員が51人以上の場合は当該定員から50を差し引いた員数の125%に75を加えた数を、それぞれ超過している場合
過去3か月間の平均利用人員が、定員の125%を超過している場合(ただし、定員が11人以下の場合は当該定員に3を加えた数を超過している場合)







利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって、一律に評価する報酬体系(就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)から(Ⅵ))について、4時間未満の利用者の占める割合が50%以上である場合に、所定単位数の30%が減算されます。







情報公表制度に基づく報告が未実施であることが運営指導や指定更新時等に発覚した場合に、未報告の時点に遡って、当該月の翌月から状況が解消されるまでの間、所定単位数の10%が減算されます。







以下の基準に適応していない場合、所定単位数の3%が減算されます。

感染症非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するため、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること。
・当該業務継続計画に従い必要な措置を講じること。







以下の身体拘束適正化措置を未実施の事業所に対し、、所定単位数の10%が減算されます。

やむを得ず身体拘束等を行う場合、その態様及び時間、利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。
身体拘束適正化検討委員会を定期的に開催(少なくとも年1回)し、その結果について従業者に周知徹底を図ること。
身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施(新規採用時及び定期に年1回以上)すること。







以下の虐待防止措置を未実施の事業所に対し、、所定単位数の1%が減算されます。

虐待防止委員会を定期的に開催(少なくとも年1回)し、その結果について従業者に周知徹底を図ること。
・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施(新規採用時及び定期に年1回以上)すること。
・上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。







世話人や生活支援員等の賃金改善等に充てるため、一定の基準に適合する取り組みを実施している事業所に対し、福祉・介護職員処遇改善加算が給付されます。




区 分要 件加算率
(Ⅰ)加算(Ⅱ)の要件に加え、次を満たすこと。
技能経験のある福祉・介護職員を事業所内で一定割合以上配置していること。
所定単位数の9.3%
(Ⅱ)加算(Ⅲ)の要件に加え、次を満たすこと。
・改善後の賃金年額440万円以上が1人以上
職場環境要件のさらなる改善、見える化を実施
所定単位数の9.1%
(Ⅲ)加算(Ⅳ)の要件に加え、次を満たすこと。
・資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みを整備していること。
所定単位数の7.6%
(Ⅳ)本加算の1/2以上を月額賃金の改善に充てていること
職場環境の改善を実施していること。
賃金体系等の整備や研修を実施していること。
所定単位数の6.2%




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