障害者総合支援法に基づく就労継続支援(A型・B型)事業の指定を受けるためには、大阪府条例で定められた人員・設備・運営に関する基準(指定基準)を満たさなければなりません。
なお、指定基準の考え方は指定権者により異なる場合がありますので、必ず事前に事業所所在地を管轄する指定権者にご確認ください。
指定基準を定めた大阪府条例・施行規則等についてはこちらのページをご覧ください。
>> 大阪府/指定基準等について
目次
法人格が必要
障がい福祉サービス事業を行うことのできる法人について
障がい福祉サービス事業を行うことのできる法人については、以下の種類があります。・株式会社 ・合同会社 ・NPO法人 ・一般社団法人・医療法人 ・社会福祉法人 など
定款の事業目的の記載について
既存の法人であっても、定款の目的欄に行う事業の文言が入ってなければなりません。また、定款に記載されている法律名が「障害者自立支援法」になっている場合には、定款の記載の変更を行う必要があります。
「居宅介護」、「重度訪問介護」、「同行援護」、「行動援護」、「療養介護」、「生活介護」、「短期入所」、「共同生活援助」、「重度障がい者等包括支援」、「自立訓練(機能訓練・生活訓練)」、「就労移行支援」、「就労継続支援(A型・B型)」、「就労定着支援」など
を行う場合、下記の目的が記載されていることが必要となります。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」
もし、入っていない場合は、事業目的変更の手続をする必要があります。
弊事務所では、会社設立・定款変更等の手続きも行っております。
就労継続支援A型・B型事業の人員に関する基準について
就労継続支援(A型・B型)事業における人員の基準は、大阪府指定障害福祉サービス事業者の指定並びに指定障害福祉事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例(平成24年大阪府条例第107号)の基準及び員数を満たしている必要があります。人員基準の概要は次の表のとおりです。
職種 | 主な職務内容 | 事業所の配置要件 |
管理者 (施設長) | 従業者、業務、その他の管理を一元的に行う | 専ら当該業務に従事する方を1人配置(業務に支障がない場合、他職種との兼務、同一敷地内の他事業所の管理者等と兼務が可能) |
〇管理者の資格要件 次いずれかを満たす方 ①社会福祉主事資格要件に該当する方 (社会福祉士、精神保健福祉士等も同等) ②社会福祉事業に2年以上従事した経験のある方 ③社会福祉施設長認定講習を修了した方 ④企業経営を経験した方(概ね1年以上) | ||
サービス管理責任者 | ・アセスメント及び個別支援計画作成やモニタリングの実施・利用者が自立した日常生活を営むことができるよう必要な支援を行う。等 | 〇利用者数60人以上 →1人以上 〇利用者数61人以上 →1人+利用者数が60を超えて40又はその端数を増すごとに1人増少なくとも1人は専任かつ常勤の方であることサービス提供に支障がなければ、管理者との兼務は可能です。資格要件:研修の受講と実務経験が必要となります。 |
>> サービス管理管理者の要件はこちら | ||
従業者(職業指導員及び生活支援員) | 職業指導員:障がいのある方が社会生活できるよう必要な訓練や技術指導を行う。生活支援員:障がいのある方の日常生活や身体機能・生活能力の向上に向けた支援を行う。 | 総数:常勤換算で、利用者数を10で除して得た数 (新規・新設・増床の場合は利用定員の90%で算定) ・職業指導員の数 →1人以上 ・生活支援員の数 →1人以上※上記のうち1人以上は常勤資格要件:特に定められていません。 |
☆ワンポイントアドバイス
利用者数が30名の場合
・管理者1名
・サービス管理責任者1名(常勤)
・職業指導員と生活支援員を合計して、常勤換算で3.0人以上(内1人以上は常勤)
また、新規・新設・増床の場合は、利用定員の90%で算定します。
就労継続支援(A型・B型)事業の設備に関する基準について
事業を行うために必要な広さの専用の区画(訓練・作業室、相談室、多目的室、手洗い設備、トイレ等)の設備、備品等が必要となります。また、営業所建物を新築、増改築、賃借を行う際には、事前に当該建物が建築基準法、消防法等の基準を満たせる物件かどうかを事前に所管部署に確認する必要があります。
設備基準の概要は次のとおりです。
訓練・作業室 | 訓練又は作業に必要な機械器具を備えていること 床面積についての決まりはありませんが、1人当たり3㎡以上が目安となります。(20人定員の場合は、30㎡程度) |
トイレ | 利用者の特性に応じたもの |
洗面所 | 手指を洗浄する設備を備えること 障がい者の使用する設備及び飲用に供する水に衛生上必要な措置を講じること |
相談室 | 苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じること 室内における談話の漏洩を防ぐための間仕切り等を設けること |
多目的室 | 利用者の食事や談話するためのスペース ※利用者の支援に支障がなければ、相談室との兼用とすることができます。 |
構造設備 | 事業所の構造及び設備は、利用者の特性に応じて工夫され、かつ、日照、採光、換気等の利用者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものであること |
最低定員 | A型:定員10人以上(多機能型も同様) B型:定員20人以上(多機能型は10人) |
他の法令の制限 | 建物の新築、既存の建物の就労継続支援A型・B型の事業開始、運営等にあたっては、障害児自立支援法以外にも、建築基準法、消防法等、関係法令を遵守する必要があります。 |
☆ワンポイントアドバイス
物件を選ぶ際には、当該物件の検査済証交付の有無、消防法上問題ないかどうかを、契約前に必ず確認してください。
就労継続支援(A型・B型)事業の運営に関する基準について
運営に関する基準は、大阪府基準条例で定められています。この基準に従って事業を行わなければなりません。サービスの提供の開始にあたっては、あらかじめ利用申込者に対し、運営規定の概要、職業指導員、生活支援員等の勤務の体制などの重要事項を記した文書を交付して説明を行って、利用申込者の同意を得ることになっています。
運営基準の主な項目は次のとおりとなっています。
1 内容及び手続の説明及び同意 2 契約支給量の報告等 3 サービス提供の記録 4 利用者負担額の受領等 5 訓練等給付費等の額に係る通知 6 個別支援計画の作成 7 勤務体制の確保 8 定員の遵守 9 非常災害対策 10 衛生管理 11 身体拘束等の禁止 12 虐待等の禁止 13 秘密保持等 14 苦情解決 15 事故発生時の対応 16 記録の整備 |
就労継続支援(A型・B型)事業の開設をご検討の方へ
就労継続支援(A型・B型)事業の開設にあたっては、事業計画の策定、物件の選定、人員の確保、運営に必要なものの手配等、多くの作業が発生します。指定申請に必要な書類も多く、なかなか手続き前に進まない事業所様も多くいらっしゃるようです。
また、運営にあたっては、障害者総合支援法や厚生労働省からの解釈通知の趣旨や内容を正確に理解しておく必要があります。
幣事務所では、就労継続支援A型・B型事業所の開設希望の事業所様のための開設・運営サポートを行っております。
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